盆栽職⼈ 松露 将典

時間の移ろいと味わいの変化
お茶を〝たしなむ〟贅沢

盆栽職⼈
松露 将典

広告代理店から盆栽職人に転身した、松露将典さん。背景には、長年好きだった植物や伝統文化、ものづくりへの興味があったそうです。そうした思いのなかで盆栽に出会ったことが契機になり、30歳を前に転職を決意。江戸嘉永年間創業の老舗盆栽園「盆栽 清香園(セイコウエン)」に入社されています。お茶との関わりも深い盆栽の世界。知っているようで知らないその魅力や職人の仕事に触れながら、生茶氷の楽しみ方について伺いました。

盆栽職⼈ 松露 将典
盆栽職⼈
松露 将典

和歌山県出身。広告代理店を経て、2014年に盆栽 清香園に入社。17年には本店の店頭責任者に就任し、本年から池袋東武店責任者。盆栽文化の魅力を広める活動に日々尽力している。
http://www.seikouen.cc/

想像力で楽しむ感覚の遊び

盆栽は「景色をつくるもの」。必ずテーマをもって創作されています。そのため、作り手は物語を表現する喜びを、受け手は自由に解釈する楽しみを味わうことができます。そういった意味で、風景画に近いジャンルと言えます。言葉を換えれば、見た人が頭の中に「景色をつくる」ことによって初めて作品として完成するのです。
少しハードルが高いように思われがちですが、まずはあまり難しく考えず、盆栽に対し、その木の下に自分が立っているようなイメージで仰ぎ見てください。すると、まるで山の中にいるような不思議な感覚に包まれるはずです。そうした大木感や古木感をつくりだしていく“感覚の遊び”こそが、盆栽ならでは魅力です。

実は体力勝負、盆栽職人の仕事

風流なイメージがある一方で、盆栽職人の仕事はとてもハードです。1,000以上ある鉢への水やりは絶対に欠かせませんし、一人で30〜40kgの盆栽を移動させることもあります。また真夏においても一日中屋外にいますが、植物相手なので冷房は使えません。なぜなら人間が涼しい場所にいると、木が暑がっていることに気づけないから。体調管理も非常に難しい仕事です。

自然の形を見ること、学ぶこと

盆栽職人の世界は「一生、勉強」と言われます。なぜなら木は数十年、数百年を生きている大先輩。いつまでも謙虚に向き合うことが求められるからです。そうした習慣が染みついているからか、休日に好きな自転車で走っていても、盆栽のヒントを探してしまいます。特に雨の日の翌日は、絶好のお出かけ日和。何気ない道端の草花も、潤いと生命力にあふれています。

季節感を味わう楽しみの一つに

盆栽は、長い時間をかけてじっくり楽しむもの。そういった意味において、溶けるのを待ち、結露していく様を眺められる生茶氷は、盆栽の見方に通じています。日常は忙しく流れていきますが、時には盆栽を見るように、テーマをもって生茶氷を楽しんでみてはいかがでしょうか。例えば、楓の木の涼しげな木漏れ日のもとで飲んでみたり、季節の草花を探す散歩のお供にしてみたり。するとそこには、一つの“たしなみ”のような趣が生まれると思います。私は盆栽を通して、「季節感を味わうこと」「楽しみ方を考えること」を知りました。ゆっくり移ろう時間と、爽やかなうまみの変化を楽しむ贅沢。ぜひ皆様も、自分なりの楽しみ方を探してみてください。

あなたも生茶氷と出かけよう。

[ 生茶氷をもっと楽しむヒント ]Let's go outside with namacha ice.

アウトドアDJ 河合 桂馬

暮らしのリズムを弾ませる
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時間の移ろいと味わいの変化
お茶を〝たしなむ〟贅沢

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